WBC・出場選手ランキング【野手編】
記事
ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)はメジャーリーガーを中心に世界の一流選手が顔を揃えた舞台となる。今回のコラムでは出場全20カ国の選手を5項目10段階で評価し、それぞれの合計によるランキング形式で上位になった選手を中心に紹介する。
簡単に算出方法を述べると、長打力は本塁打数やISO(長打率から打率を引いた数値)、フライの多さなど、守備力は捕球、送球、エラーの少なさやフレーミングと呼ばれる際どいコースの投球をストライクコールさせる捕球技術などを参考に、それぞれの項目で過去の3年の成績を重み付けしてベースの値を求めた上で、リーグ間のレベル差などを踏まえて算出している。
(企画・編集/データスタジアム株式会社)
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解説
野手で総合トップの評価は、MLBの現役最高の野手といっていいアメリカ代表のマイク・トラウトだ。比較的三振の多い選手ではあるが、2年目以降でシーズン打率.280を切るようなことはなく、昨季は故障離脱があった中で40本塁打を記録するなど124安打中70本が長打と強烈な打球を量産した。守備走塁でも基本的に穴はなく、また今大会ではいち早く出場を表明するなどスター軍団をまとめるリーダーシップにも期待が寄せられる。
次点の評価は同じくアメリカ代表外野手のムーキー・ベッツで、彼もまたトラウト同様に5ツールプレーヤーの代表格だ。決して体格には恵まれていないものの守備時の反応の良さ、守備範囲の広さ、強肩を備え守備者として超一流。また打席での選球眼が非常に良く、空振りも少ない選手である。以前はパンチ力のあるアベレージヒッターの印象だったが、近年は打率こそやや低いものの長打力が増していて、昨季は35本塁打を放っている。主に1番打者を担ってきたこの男の出会い頭の一発には要注意となる。
その他の上位選手ではホセ・アルトゥーベ(ベネズエラ)やトレー・ターナー(アメリカ)のように二遊間を守る選手として求められる能力をすべて持ちつつ長打力もある選手や、捕手や一塁手としての能力が高い上にそれらのポジションの選手とは一線を画した走力を持つJ.T.リアルミュートやポール・ゴールドシュミットなど、ポジションの一般的なイメージとは違う能力を持った選手が上位に名を連ねている。それらの多くがアメリカ代表に所属していて、在籍チームでは中軸を務めるウィル・スミスやピート・アロンソ、カイル・シュワーバーら(いずれもアメリカ)が決してスタメンを約束される立場ではない。アメリカ代表の野手に関しては、むしろポジションの方が不足しているかもしれない。
今回の評価項目では守備力や走力を設けた関係で、打席では高いパフォーマンスを見せるが守備でアピールできない選手はトップ10に入っていないものの、打者としては上位選手と遜色ない。その代表例が侍ジャパンの主砲・大谷翔平だ。実際に外野などを守らせればストレートの球速や走力を踏まえるとかなりの守備力を持っている可能性が高いが、守備の実績がないことに加えて、大会中に守備につくことは二刀流起用からも考えづらいため、彼の守備に関しては推定値とした。他にもラファエル・デバースやテオスカー・ヘルナンデス(ともにドミニカ共和国)は守備力にやや難があるもののMLB指折りのスラッガーであり、彼らが並ぶドミニカ共和国打線もアメリカに負けず劣らず強力だ。
最後に守備の名手も数多く参加していることに触れておきたい。ナショナル・リーグ最高の三塁守備を誇るマニー・マチャド(ドミニカ共和国)とノーラン・アレナド(アメリカ)はスローイングの距離と安定感が別格であり、打球処理によって三塁線より外側から難しい姿勢で送球を強いられたとしても、ノーバウンドでファーストミットまでボールを投げ込むこともしばしばある。他にもフランシスコ・リンドーア(プエルトリコ)やトミー・エドマン(韓国)、アンドレス・ヒメネス(ベネズエラ)も捕球から送球まで一連の動きがよどみなく、難しい守備を難しく見せない名手たちだ。本稿では選外となったが、源田壮亮(日本)やキム・ハソン(韓国)も彼らに負けない守備力を備えており、内野に打球が転がったときの華麗な動きに注目してほしい。